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石油枯渇2:ピラミッドは砂に沈んだ
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大昔のこと。
エジプトはナイルの恵みを受け、緑豊かな土地であった。
そこに出現したのがピラミッド。
ピラミッドが何なのかは、いまだになぞ。
墳墓説が一般的であったが、今ではほぼ否定されている。
天文台、この説が有力。
なんのための天文台。
「ファラオ」が悠久の宇宙に飛び立つその日を観測するための天文台。
目的の日、ピラミッドを走っている唯一の狭い長いトンネルの先に、ある星が姿を現す。
そのとき、ファラオはその星に向かって旅立つという。
旅立ちの日を確定するのが、このピラミッドの使命という。
ピラミッドを造るために、豊かな緑は伐採され、積み上げるレンガを作るために燃やされたという。
木は当時の唯一のエネルギー源。
それが軒並みピラミッドの築造に当てられた。
そして、エジプトは禿げ野原になる。
緑を、エネルギーを失ったエジプトは、自然に対抗する策を失い、砂漠の中に飲み込まれていく。
エネルギーを失ったものの一つの姿が、エジプト文明であり、それを引き起こしたのが砂に埋もれてしまったピラミッドである。
「人類が生存できる環境下で、燃料が枯渇する事は無い」と「教えてgoo」は言う。
燃料が枯渇したとき、ピラミッドは砂に沈み、エジプト文明は滅亡し、悠久の砂漠と化した。
「ドキドキ」してきます。
食糧と人口は悲観論、石油は無尽蔵。
いったいどうなるのだろう。
こういう相反したデータを検索していくのが「電子網さんぽ」の歓び。
未来のこととて「アタリー」といった数学的解答があるわけではないのですが、調べるだけでも面白い。
そしてもう一つ、これまで知らなかったおのれの好みが見えてくる。
「石油枯渇」で検索し、その「20万件のトップ」に出てきたのが、下のサイト。
一読してみてください。
「エコノミスト」からの翻訳。
長いので一部を抜粋して、「訳者のまとめ」の部分をコピーします。
★ 原油は枯渇しませんったら。
http://cruel.org/other/oil/lotofoil.html
『
底なしのビールジョッキ------世界の原油が枯渇しそうにない理由
(The Economist Vol 375, No. 8424 (2005/04/30), "A Survey for Oil" 所収の "The Bottomless Beermug," pp. 13-15)
「アメリカ地質研究所」は、2000年に包括的な調査を行い、そんなピークははやくても20年は先だと結論づけた。
OECDの「IEA(国際エネルギー機関)」も大まかにどういしていて、必要な投資さえ行われれば、原油供給は2030年以降まで制約されることはないと論じている。
だが、真っ向からこれに反対するアナリストもいる。
石油悲観論者たちの希望の星は、「コリン・キャンベル」と「ジャン・ラヘレール」だ。
引用されることの多い1998年の「サイエンティフィック・アメリカン」論文で、かれらは世界的なハバードのピークは、ちょうど今頃(2005年頃)だと予想していた。
『ガソリン切れ』だの『石油の終わり』だのと題名の陰気な本も山ほど出ている。
そして石油悲観論者の投資銀行家であるマシュー・シモンズ氏は、五月にサウジアラビアの原油生産の維持可能性を疑問視する本を刊行予定だ。
石油会社が一世紀以上にわたって(南極以外の)全世界をつつきまわしてきたことを考えれば、サウジアラビアのガワールのような日産500万バレルの「超巨大」油田はあり得ない、と悲観論は続ける。
ロッテルダムのエラスムス大学の「ピーター・オデル」は、
「1971 年以来、確認埋蔵量は 1.5 兆バレルも増えています。
同じ 35 年間で消費された原油量は、0.8 兆バレルにすぎません。
ですから世界の原油は枯渇しているどころか、あふれているとさえ言えるわけです」
と述べる。
なぜ推計埋蔵量が増えるかと言えば、それは絶え間ない経済と技術革新の組み合わせだ。
IEAはこのプロセスを以下のように説明する:
「埋蔵量は絶えず、新発見や価格変動、技術進歩にあわせて改訂されます。
こうした改訂はすべて埋蔵量を増やす方向に動きます」
数十年前には、油田からの平均回収率は「20 パーセント」だった。
めざましい技術進歩のおかげで、これが今日では「35 パーセント」に上がっている。
だがこの改善にもかかわらず、油田にあることがわかっている原油の三分の二は、不経済だとして放棄されている。
将来の発見や技術革新があれば、世界的なハバードのピークは魔法のようにさらに先に押しやられるだろう。
評論家たちは、イギリスの北海油田は「1990 年」までには生産のピークを迎えると予想した。
実際には、ピークを迎えたのはやっと最近になってのことだった。
<略>
訳者コメント:
気が向いたんで訳しました。
どうせ冒頭にあがってるシモンズの本は絶対どっかに翻訳されたり、またぞろだれかが受け売りで騒ぎはじめたりするから。
一部の馬鹿な環境論者は、最近の原油高が石油資源枯渇の証拠だなんて無知蒙昧なことをわめきたてるし。
また例のロンボルグ『環境危機をあおってはいけない』が出たとき、環境保護論者は、世界のエネルギーが枯渇しかけているという信念(中略)を実際に抱いている環境保護論者は、ほとんど(まったくではないにせよ)いないとのたまっていたくせに、ちょっと状況がかわると「実は京都議定書は石油枯渇対策だ」なんていうことを言い出す人が出てくる。どこにそんな証拠があるんだ!
言っていることはロンボルグ本と同じなのですが、特に「キャンベル論文」は発表当時(1998)えらくもてはやされて、「石油埋蔵量予測の決定版」と言われていまだに信じている人が結構いるので、それをはっきり批判してある文章をネットにあげとくのも重要でしょう。
ここでの論点はつまるところ:
●]. 技術がどんどん発展してきて、これまで地下から取り出せなかった原油がどんどん取り出せるようになってくるので、新しい油田が見つからなくても使える油田はどんどん増える。
●]. 新しい油田も見つかる可能性はたくさんある。
まだ探していないところはいくらでもあるし、技術革新でこれまでは手が出なかったところも手が出る。
●]. また発見技術や利用技術も向上して、昔の(映画「ジャイアンツ」みたいな)闇雲に掘って大当たりをねらう状況とはまったくちがう。
●]. 問題があるとすれば、技術開発への投資が一時的に鈍っていたことだが、新しいプレーヤーが出てきてこれも先の見通しは絶望的とはいえない。
ちなみにここで訳出したような議論に対して必ず出てくるのは「そんな技術が今後開発される保証はない」という話だけれど、将来予想をあらゆる技術が現状で止まるという想定で行うべきだというのはあまりに極端。
』
これに対して悲観論が下記のサイト。
★ 「石油枯渇時代」がはじまった
http://www.ihope.jp/petroleum.htm
『
季刊『理戦』81号(実践社 http://www.jissensha.co.jp/)では、『石油枯渇時代がはじまった』という特集を組み、迫り来る資源・エネルギー問題を大きく取り上げています。
寄稿している人たちは多種多様ですが、それぞれの第一線で環境問題に取り組んでいる人たちです。
○「高く乏しい石油時代が来る」(東京大学名誉教授 石井吉徳)
○「環境政策で世界をリードするEU」(京都大学大学院地球環境学堂教授 松下和夫)
○「廃棄物が減っては困るリサイクル事業」(京都大学大学院経済学研究科教授 植田和弘)
○「車を愛していてない人に車の将来を託せない」(モータージャーナリスト 清水和夫)
○「スポーツカーばかりを悪者にしないで」(カー雑誌『ENGINE』編集長 鈴木正文)
○「高度経済成長を続ける中国の環境問題」(日本経済団体連合会・アジアグループ副長 青山周)
○「世界で繰り広げられる石油争奪戦」(長崎大学環境科学部助教授 戸田清)
○「日本の国土は何人養えるのか?」(農業・生物系特定産業技術研究機構研究員 篠原信)
○「太陽電池の技術開発に夢を託す」(名古屋工業大学電気電子工学科教授 市村正也)
○「メタンハイドレートを代替エネルギーに」(日本オイルエンジニアリング株式会社開発技術部 河田裕子)
とりわけ、冒頭の石井吉徳氏は、元国立環境研究所所長で人類が直面する資源・エネルギー問題の本質を鋭く指摘しています。
石井氏の主張のポイントは、以下のようにまとめられます。
①.石油生産のピークは既に過ぎており、新しい巨大油田が見つかることもあり得ない。
②.巨大な油田は中東にしか存在しないが、その中東の油田はすでに老齢化している。
既に世界最大のガワ-ル油田(サウジアラビア)は、圧力が低下して自噴せず、毎日700万バーレルの海水を注入している。
③.人類は既に可採埋蔵量の半分の石油を使ったが、後半分残っているわけではない。
エネルギー資源を評価するには、「EPR(Energy Profit Ratio)」が不可欠。
注:「EPR=出力エネルギー/入力エネルギー」で、中東の巨大油田は当初「EPR=60」という極めて高い値であったがゆえに、最も有効なエネルギー足りえた。
(簡単にいうと1万円分のエネルギー(経費)をつぎ込むと60万円分のエネルギー(すなわち石油が取得できるということ)
④.石油を超える「EPR」を持つエネルギー源は存在しない。
原子力発電も極めて低いし、多くの代替エネルギーもそうだ。
また、同じ油田でも、採掘に伴って「EPR」は低下していく。
⑤.したがって、問題の核心は「地球、自然は有限である」という自覚のもとに、「限界に生きる知恵」が必要だということ。
石井氏は、自らのホームページでも具体的データを示して解説しています。
☆ http://www007.upp.so-net.ne.jp/tikyuu/
』
「さあ、どっちでしょう。」
「教えて、goo」の回答の中に『石油に限って言えば、一般的に埋蔵量と言われるのは「可採埋蔵量」であり、その時点の経済性から採取できる数量を指します。』とあります。
埋蔵量とは通常「確認可採埋蔵量」をさします。
分からないのは「その時点の経済性から採取できる数量」という「その時点の経済性」なるものをどうやって捕捉しているかということです。
今と同じ延長上に未来があるなら問題はない。
ふるきよき時代の経済学のセオリーで十分間に合う。
一般にはそのようなことは考えられない。経済は生きている。
生きているから食糧や人口の専門家連中が、未来を不確定にして、曖昧な表現をせざるを得なくなっているのではないかと思うのです。
でも、不確定にばかりしていては前に進まない。
そこで出来るだけ数量化して、いくつかのモデルを作って検討していくのが、現代の学問の取り組み方法。
食糧や人口の連中は種々のモデルを作って、その中からある範囲の中で見込まれそうなものを「こうなるんじゃないだろうか」と「自信なさそうに選んでくる」。
石油の専門家たちは、バックグラウンドになるモデルが描けていないのに「その時点の経済性から採取できる数量」を満々の自信を持って表示する。
「その時点で石油1m3がいくらのコストで採取でき、そのコストとはその時点での生活経費と比較してどの程度にあたり、それゆえに採取しても計算にのるのである」というところを知りたいのである。
もちろん仮想モデルであるが、とりあえずのたたき台としての根拠にはなる。
石油の場合、地下に「埋まっている数量」とそれを取り出す「技術」と、その「技術費用」だけで、モデルが出来上がっているように思えてならない。
石油が枯渇しない、と同じように石炭も枯渇してはいない。
しかし、石炭は採取されていない。それは経済のバックグランドが変化したからである。
前に書いたが、「水不足」は家庭で水道栓をひねったときに実感する。
水圧が抑えられちょろちょろになったり、時間制限があって出なかったりである。
なら、石油を実感するのはいつだろか。
マイカーにガソリンを入れるときである。
石油はふんだんにある。
では、安いガソリンを車に入れることができるのか、である。
できれば、石油は十分だと実感できる。
でも、昨日より今日のほうが「ガソリンが高い」、となれば石油は枯渇しつつ(というより、使えなくなりつつ)ある、と感じるのではないだろうか。
年明け早々、石油は1バレル、史上最高値の100ドルの値をつけた。
入ってくるニュースはどうもそうでもなさそうな雰囲気を濃厚に匂わせている。
テレビニュース(2008/03/05)では10年後にはガソリンはリッター3ドル(300円)になるだろうと言っている。
東亜日報[社説]、「銃声のない資源戦争、活路はどこに? FEBRUARY 02, 2008」
『
中国が「自分で使うぶんもない」として3月まで石炭の輸出を中止したため、発電やセメント業界は窮地に追い込まれている。
輸入石炭の20%を中国に依存しており、在庫は1ヵ月分しかなく、事態が長引けば、工場の稼動を中止せざるをえない状況だ。
中国の石炭抽出中止は、大雪による輸送難が直接的な原因となったが、世界的なエネルギー不足を実感させられる出来事だ。
世界は銃声のない資源確保戦争を繰り広げている。
石油や天然ガス、ウランはもとより、鉄鉱石や石炭、ニッケルのような希少資源の確保戦にもしのぎを削っている。
中国やインド、東ヨーロッパが工業化の列に加わり、世界の資源を吸収するブラックホールとして登場し、資源の需要は急増している。
資源の97%を輸入に頼っている韓国にとって、金があっても資源を買えない事態になれば、それこそ深刻な事態だ。
資金力のある国が富裕国なのではなく、資源を持つ国が大手を振るう「資源覇権の時代だ」。
社会主義の崩壊で、「3流国家」に転落した「ロシア」は、天然ガス埋蔵量で1位、原油埋蔵量では世界6位というエネルギー資源のパワーで、世界の舞台で大国としてのプレゼンスを回復している。
周期律表上のほとんどの化学元素を持っているといわれている「カザフスタン」のプレゼンスも一段と高まっている。
中国は豊富なドルを利用して油田を積極的に買い付け、胡錦濤国家主席や温家宝首相はみずから産油国を歴訪し、エネルギー確保のための資源外交を展開している。
韓国も、エネルギー外交の舞台を全世界に広めるべきだ。
にもかかわらず、李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者の4大特使のうち、唯一、ロシア特使がプーチン大 統領と面談できなかったことが気にかかる。対ロ外交が円滑ではないという証拠ではないか。
韓国は世界4位の石油輸入国であるが、国内外で開発・確保した原油やガスを国内消費量で割った自主開発率はわずか4%だ。
フランス(95%)やイタリア(51%)、スペイン(46%)、日本(15%)には遠く及ばない。
韓国の資源開発企業の埋蔵量確保率は、世界的なエネルギー企業に比べ、足元にも及ばない水準だ。
われわれにもメジャー級の資源開発企業が求められている。
幸いなことに昨日、韓国石油公社や三星(サムスン)物産が、米国メキシコ湾やアフリカのコンゴで総埋蔵量9000万バレル規模の史上最大生産量の油田買収に成功したというニュースが届いている。
非常に喜ばしい話だ。
次期政府は各企業の海外資源開発事業への投資を外交や財政の面で積極的に支援しなければならない。
』
将来への見通しとして、とりあえず技術的に何をしないといけないかを具体的にしているのが下記のニュース。
★ 25today.com by NICHIGO PRESS
http://www.25today.com/news/2008/02/post_1974.php
『
ビジネス - 2008年2月27日
─────────────────
「石炭、ガスの液化技術が豪エネルギーのカギ」:ファーガソン・エネルギー大臣が提案
2008年2月26日、エネルギー業界コンファレンスで、連邦政府のマーティン・ファーガソン・エネルギー大臣が挨拶に立ち、オーストラリアのエネルギーの将来を握っているのは
①.ガス液体炭化水素化技術(GTL)
②.石炭液化(CTL)
の2つだと語り、過去にはそういう技術に対して懐疑的な意見が多かったが、状況が変わってきており、産業が実現し、成長していると述べた。
「GTL」は天然ガスを価値の高い超クリーンな石油に変換する技術であり、「CTL」は石炭を分解して同じく石油に換える技術である。
超クリーンな「GTLディーゼル油」がすでに世界市場に出回っており、プレミアムがついている。
今後何年か、エネルギー省は我が国の将来的なエネルギー確保のために「GTL」や「CTL」の研究を進めるために作業する」。
「我が国には「600年分」を超える石炭埋蔵量が知られており、都市部の大気汚染が問題になっているアジア太平洋地域にクリーンな自動車燃料として供給することができるようになる。
オーストラリアで適切なクリーン・コール・テクノロジーを開発することが大切だ」と語った。
また、今後15年間の電気、ガス、燃料の需給状況を見通すために、政府が設立を約束した「全国エネルギー確保評価委員会」は現在編成を急いでいると述べ、評価が済めば、政府は、産業の政策フレームワークを作成するため、「GTLおよびCTL」 提案者と話を煮詰めていく、と語った。
「オーストラリアは、地下資源という強みと企業競争の優位を利用し、富をオーストラリア国民と分かち合うため、新世代の国家建設型産業とインフラストラクチャーを必要としている」と、マーティン・ファーガソン・エネルギー大臣は挨拶した。
』
オイルサンドやメタンハイドレートがほとんど見通しのつかない遠未来的な資源なら、こちらは具体的な透視のきく近未来的な技術開発。
石油はふんだんにある。
とすれば話はやはりこうなるだろう。
技術的に石油を「掘れる」かではなく、生活身近で「その時点の経済性」から石油を「使える」のか、という問題である。
なを、資源状況を分かりやすく図にしたのが、下記のホームページ。
★ 石油資源の枯渇
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data2005.html
★ 世界のエネルギー資源埋蔵量
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1008.html
<つづく>
【Top Page】
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2008年4月10日木曜日
2008年4月3日木曜日
石油枯渇1:おジイさんは山へしば刈りに
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石油枯渇1:おジイさんは山へしば刈りに
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以前に「人口増加」が起こる原因として「食糧」をあげました。
いわく、
『
生存可能だから増えるのです。
生存できなければ増えません。
』
生存可能な食べ物があるから、増加する。
もしなければ増えない。
生物のごく単純な法則。
これがメインの法則。
「人口爆発」が起きるのは加えて十分なエネルギーが供給されたから。
これがサブの法則。
エネルギーが限定されていればそのエネルギーの許容容量を超えて増えない。
歴史的には農業時代は「木」、近代以降の工業時代は石炭石油天然ガス等の「化石燃料」。
「おじいさんは山へシバ刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」。
そう、桃太郎の没頭。
シバ刈りとは薪採取、これを町にいって売る。
これが日々の糧になる。
人は増えない。
小さいときお米は木材で炊いていました。
「はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いても蓋とるな」。
随分とお釜でお米を炊きました。
建て替えの建築現場からいらなくなった木材をもらってきて、ノコで切り、マキ割りをして、かまどの横に積み上げたものです。
燃えたマキから「消し炭」をとり、これも保存しておく。
消し炭は火がつきやすい。
新聞紙に火をつけ、それに消し炭をおくとすぐに消し炭が真っ赤になる。
それを火鉢に移し、その上に木炭をおく。
それが昔の暖房。
六畳の部屋に火鉢1ケ。
ほんとうに寒い。
手を温めるだけの暖房。
でもそれが普通の風景。
木炭を切るはもっとも嫌いな仕事。
手ぬぐいを巻いてやるのだが、鼻の中まで真っ黒になる。
切粉もとっておく。
これも燃料になる。
木炭が高くなり、豆炭が出て、練炭が出る。
初期の練炭は臭かった。
練炭コタツに入り込んだ猫が中毒を起こす。
「おい、ネコがいないぞ」と誰かが気がつき、コタツをめくると中でグッタリ。
外に出してやる。
そのうち気がつく。
フラフラ歩けるようになり、しばらくすると元気になる。
ときどきネコをチェックするのが子どもの仕事。
それになかなか火がつかない、何回やってもつかない。
練炭も研究がすすみ、「上付け練炭」なるものが出始める。
練炭の上に新聞紙と細く切った木材、使い古しの割り箸、消し炭などをおいて火をつけると、なんと練炭に火が簡単に移る。
火は下から上へいくものだという固定観念が吹き飛ばされる。
「すごい」。
練炭の火付けに苦しんでいた事がウソのようである。
上から燃えるため、臭いがなく、悪いガスも燃えて、七輪からコタツまでなんでも練炭に変わった。
火力も強く、火鉢にいれると、あの手をあぶる程度の火力しかない木炭が貧相に見える。
陶器の火鉢が熱くなるほど。
縁など無造作に触れない。
「アッチイチイー」。
ちょっと前の木炭火鉢の温度がウソのように思える。
練炭も豆炭も石炭の粉を固めて作ったもの。
生活エネルギーの「木」は、練炭で「石炭」に変わる。
それから、キッチンは都市ガスLPガスになり、コタツは電気。
床置き暖房はガスか灯油になる。
老人世帯では安全のため、全てが電化仕様になる。
「燃料の貯蔵はなくなる」。
いにしえの学校は、薪ストーブが最初。
ダルマストーブの表面が真っ赤になる。
その次は石炭。
朝、係りが石炭を貰いにいく。
夕方、石炭ガラを捨てにいく。
そして、コークス。
コークスはジワジワ燃える。
石炭のように'カー'っとは燃えない。
次は石油ストーブ。
大学では専属の人がいて、学生が自由に灯油を持ち運ぶことはできなかった。
授業時間90分用の缶をセットしてくれる。
どういうわけか、これが80分で燃え尽きることがある。
あとはコートでまるまってコンクリート床から立ち上がる寒さをしのいだことがある。
昨今はすべて、エアコン。
現在、化石燃料の主役は石油。
その石油の枯渇は「2080年」頃という。
★ 産経新聞 2007年11月29日
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/071129/env0711291943001-n1.htm
『
石油枯渇まで68年 石油鉱業連盟発表
────────────────────────
世界の石油が枯渇するまであと「68年」-。
石油鉱業連盟が29日発表した平成17年末の世界の石油・天然ガス資源に関する評価で、こんな見通しが明らかになった。
同連盟は5年に1度この評価を実施し、12年末評価の石油枯渇年数「79年」から、見通しを11年短縮した。
未発見資源量が縮小しているうえ、中国やインドを中心に石油需要が急増したため、枯渇への”カウントダウン”が早まった格好だ。
報告書では、「世界にある未発見資源を含めた石油の可採資源量」が、3兆0380億バレルと前回評価とほぼ同水準と試算。
ただ、中国などの需要増で年間石油生産量が300億バレルに膨らんで「可採年数が縮まる」と予測した。
石油の可採年数は、既に確認されている埋蔵量で「37.6年」、技術革新などによる採掘量の拡大で「16.6年」、未発見資源で「13.9年」分と予想する。
一方で、天然ガスの枯渇年数は「98年」と予想。
うち、既に確認されている埋蔵量で「50.7年」分、技術革新で「30.2」年、未発見資源で「17.32」年と試算、将来は石油を天然ガスが補うと予想する。
』
★ 石油鉱業連盟
http://www.sekkoren.jp/
「1バレル」とは159リッター、6バレル=約1m3(水なら約1トンの体積)。
比重がちがいますので、重量比較は意味がありませんので、イメージとして掴むためにその体積で比較してみます。
「3兆0380億バレル」とは「4830億m3」にあたる。
3兆0380億バレル×0.159m3=4,830億m3
日本最大の湖、琵琶湖、最深103m、平均水深41m、貯水量は「27.5Km3」。「1Km3」とは1立方キロメートル。
立方メートルに直すと「1000m×1000m×1000m=1,000,000,000m3=10億m3」。
ということは琵琶湖の貯水量は「275億m3:275億トン」。
3兆0380億バレルとは、琵琶湖貯水量の「17.6個分」にあたる。
4,830億m3/275億m3 = 17.6個
それが石油の可採資源量となる。
つまり琵琶湖約18個分の石油が、人類が取り出し可能な地層に眠っている(一部はすでに採掘された)ということになる。
また、東京ドームの体積で比較すると、東京ドームは「1,240,000m3」で「780万バレル」になる。
1,240,000/0.159=7,798,742
とすると3兆0380億バレルとは「東京ドーム約39万個分」にあたる。
3,038,000,000,000/7,800,000=389,487
つまり東京ドームの体積を規準単位「ドーム」とすると、石油の可採資源量は「39万ドーム」になる。
【注】:素人の電卓計算なので間違いがあるかもしれませんので確認してください。
石油はあと「68年」、天然ガスは、「98年」である。
つまり、現在言われている化石燃料はあと「100年」ほどで枯渇するということである。
まずはじめに、石油が70年ほどで枯渇し、その後、30年ほどを天然ガスが補い、その後枯渇する。
では、100年したら化石エネルギーはなくなるのかというと、そうでもないらしい。
今回の報告書では、カナダ等で資源開発が進み始めた「オイルサンド」など「非在来型石油資源」は考慮されておらず、これを加味すれば枯渇年数が「約280年」に延びるともいわれている。
天然ガスについても、シベリアや北極圏の永久凍土、日本・韓国周辺の海底等で賦存が確認され始めた「燃える氷」と呼ばれる「メタンハイドレート(水分子が天然ガスの主成分であるメタン分子を取り囲んでシャーベット状になった固体結晶)」など「非在来型天然ガス資源」は考慮されておらず、これを加味すれば枯渇年数が大幅に延びるものと期待されているらしい。
では、その「非在来型石油資源」「非在来型天然ガス資源」なるものは、コスト的に石油、天然ガスに代替できるものなのであろうか。
例えば石炭はまだまだいくらでもとれる。
しかし、日本では採炭をやめている。
なぜか。
石油に比べてコストが合わないからである。
コストがあってこそ始めて資源である。
石炭はおそらく数百年は持つであろう埋蔵量を持っているが、Wikipediaでは日本では「釧路炭鉱」の一鉱になっているという。
オイルサンドは原油を含んでいる地下の砂や岩であるが、砂や岩から石油分を取り出すのにどれだけのコストがかかるかである。
今の石油のように低コストで取り出せなければ意味がない
というより、いまのような形で石油を使うことはできないなら、考慮の対象にならない。
コストが高ければ、「使い方は違った形」になり、そうせざるをえなくなる。
「オイルサンド」を(Wikipedia)で見てみよう。
『
オイルサンド(Oil sand, Tar sands)とは、極めて粘性の高い油分を含む砂岩のこと。
原油を含んだ砂岩が地表に露出、もしくは地表付近の地下水などと反応し、揮発成分を失ったことにより生成される。
色は黒ずみ、石油臭を放つことが特徴。
母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェール(Oil Shale)と呼ばれる。
世界中に埋蔵されているオイルサンド、オイルシェールから得られる重質油は5兆バレル以上と推定されており、将来、枯渇するであろう石油の代替燃料として注目を浴びている。
ただし、1バレルの重質油をオイルサンドから得るためには、数トンの砂岩を乾留する必要があり、大量の廃棄土砂(産業廃棄物)が発生する。
その処理には多額の費用がかかり、また効率が悪いため採掘コストが嵩む。
そのため、現状では採算が極めて厳しい状況にある。
しかし、昨今の原油高で戦略的資源として見直されている。
オイルサンドは、カナダ(アルバータ州)、ベネズエラに分布する。
極めて低質なものは日本でも新潟県新潟市の新津油田などに見受けることができる。
オイルシェールはアメリカ合衆国西部、ブラジル、ロシアなどに分布する。
』
5兆バレルと石油より埋蔵量が多く、何とも心強い。
しかしつまるところ現時点で言えば、ただ石油の枯渇で脚光を浴びているだけのものである。
端的に言えば「ほとんど使えない」代物である。
次は、メタンハイドレートを(Wikipedia)で見てみる。
『
メタンハイドレート (Methane hydrate) とは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている物質である。
この構造を維持するためには、環境が低温かつ高圧であることが求められる。
地球上では、シベリアなどの永久凍土の地下数100m - 1000mの堆積物中や海底でこの条件が満たされ、メタンハイドレートが存在できる。
見た目は氷に似ているが、火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。
1立方メートルのメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164立方メートルのメタンガスに変わる。
このメタンはメタンハイドレートの体積の20%に過ぎず、他の80%は水である。
石油や石炭に比べ燃焼時の「二酸化炭素排出量」がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギーである。
実際にはほとんどが海底に存在し、地上の永久凍土などにはそれほど多くない。
またメタンハイドレートを含有できる深海堆積物は海底直下では低温だが、深くなるにつれて温度が高くなるため、「海底付近でしかメタンハイドレートは存在できない」。
これらの場所では、大量の有機物を含んだ土砂が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。
(状況によって異なるが、おおむね)大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内、水深1,000から2,000メートル付近での、地下数百メートルに集中する、メタンガス層の上部境目に多量に存在するとされている。
通常は、高圧下でありながら、凍った水分子の、篭状の結晶構造に封じ込められている。
石油資源に換わるエネルギー源として期待される一方、海中に湧き出したメタンが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられている。
大気中の「メタン」は、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされている。
メタンは大気中で12年程度で分解される。
日本近海は世界最大のメタンハイドレート埋蔵量を誇ると言われ、このため日本のエネルギー問題を解決する物質として考えられているが、現在のところ採掘にかかるコストが販売による利益を上回ってしまう。
そのため、商売として成立せず、研究用以外の目的では採掘されていない。
今後、埋蔵量が残り少なくなった石油の採掘コストが上がり、メタンハイドレートが主要なエネルギー源となった場合、日本は世界最大のエネルギー資源大国になると言われている。
日本政府は2016年までにこれらのメタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させる計画を行うとしている。
このため、資源国通貨として日本円の将来性は高いと考える投資家も多い。
ただし、他のエネルギー源が主流になり、メタンハイドレートが商業使用されないまま終わる可能性もある。
海底のメタンハイドレートは潜水士が作業できない深海に存在し、また地層中や海底で氷のように存在するため、石油やガスのように穴を掘って簡単に汲み上げることも、石炭のように掘ることもできない。
ゆえに低コストでかつ大量に採取することは技術的に課題が多い。
採取方法によっては、大量のメタンハイドレートが一気に気化し大気中に拡散、地球温暖化に拍車を掛ける恐れもあり、慎重に検討すべきと指摘する研究者もいる。
メタンハイドレートは、海水温が2-3度上昇するだけで溶け出しメタンを大気中に放出するといわれている。
温暖化がすすむと海水温が上がり、メタンハイドレートが溶け出す。
するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンハイドレートが溶け出す悪循環をおこす。
2億5千万年前の「P-T境界」では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたとされている。
』
つまりやさしく言うと今のところこれも、「まるでダメ」といっていい。
メドがつくまでにもまだまだ時間がかかりそうである。
つまるところ現在にあっては、コスト的には2つともほぼ代替使用可能なエネルギーとしては無きものに近い状態にあるといえる。
「非在来型石油資源」「非在来型天然ガス資源」などというのは、存在しているだけの、人類を失望させないための「希望的代替物」でしかない。
「言葉の彩」「言葉のマジック」にすぎない。
例えば仮に今コスト比較で、1リットル500円のオイルサンド石油しかなかったとしたら、自動車に乗る人が出てくるだろうか。
いくら自動車が高性能で安くなったとしても、ガソリンが高ければ自動車はポピラーな乗り物にはなりにくい、ということである。
車自体が「違った形」になっていくだろうということである。
もちろん、1世紀もすれば低コストで供給できるようになるであろうことは見通せる。
だが、それが今の石油ほど、生活費と比較しての低コストになりうるかというと、そこまでは分からない。
「石油枯渇」「石油埋蔵量」といったキーワードで検索するとすごい量のデータが出てくる。
それがみな、そこそこの意見で「ウーン、いったいどれが正しい」となってしまう。
「教えて、goo」から見てみましょう。
『
質問投稿日時:07/01/09
━━━━━━━━━━━
Newsweek 誌に、石油埋蔵量の見通しについてかなり楽観論が展開されていて、少なくとも来世紀のはじめくらいまで枯渇しないだろうとのことです。
テクノロジーの進歩で、採取率が上がるから、だそうです。
市場の見方では、いつか近く石油価格の暴落が起こると予想しています。
一方、ゴールドマンサックスによる見通しだと、石油価格は高止まりのまま続く、とのことです。
実際はどうなのでしょうか?
回答良回答
────────
まず燃料が枯渇する事はありません。
原初の地球の大気には酸素が存在せず、従って今の大気中2割の酸素の大半は二酸化炭素から光合成によって作られたものと思われます。二酸化炭素から分かれた酸素の片割れは、炭素もしくは炭化水素等の組成で可燃物として存在しております。
従って今の酸素を全部燃やし尽くすだけの燃料が地球には存在し、人が生きていけるかどうかは別にして、「燃やすものがなくなる事」は無い筈です。
たとえ話としては、「薪のある洞窟の中で、薪の尽きるのを心配するより、二酸化炭素中毒の方が問題」という事ですね。
石油に限って言えば、一般的に埋蔵量と言われるのは「可採埋蔵量」であり、その時点の経済性から採取できる数量を指します。
従って、原油価格が上がれば、新油田が見つからなくても埋蔵量が増えると言う現象がおきます。
2003年に北米の可採年数(その地域の可採埋蔵量÷年間使用量)が一気に40年ほど延びましたが、これはカナダのオイルサンドが「可採」化した事によります。
現在石油以外の化石燃料(石炭・ガス)から液体燃料を作る技術も実用化されており、そちらから「人造石油」として利用できる燃料を得られる事を考えれば、「人類が生存できる環境下で、燃料が枯渇する事は無い」と言う事はできます。
但し、人類が生存できる環境が維持できるかは別問題ですが・・・。
回答
───
同じく、石油の枯渇はないと思います。
それは、石油資源が少なくなれば、価格が上がるため、新たな油田や新しい技術の開発が促進されるためです。
石油はそうやって、価格が上がったり下がったりしてきた歴史があります。
最近、原油の価格が上昇してきましたが、これは、中国やインドなどが急激に経済成長して、資源をあさっていることと、米国のハリケーンなどで不安感がでてきたこと。さらに今年あたりに石油埋蔵量がピークを迎えるというオイルピーク説が拍車をかけているためです。
中国やインドの経済成長は今後も続くと予想されるので、基本的には石油の需要は堅調でしょう。この場合は価格は高止まりすると考えます。
しかし、オイルピーク説が破綻すると(早くもすでに破綻したとの見方もあります)、投機的に石油を買っている人が売りに出て、暴落することも考えられます。
なお、石油は微生物の堆積物ではなく、無機物から生成しているという説は、まじめに研究されていますし、無視されているわけではありません。
ただし、どちらにしろ、石油が枯渇するより先に大気中の二酸化炭素による地球温暖化により、石油の消費は制限されるでしょう。
』
「ほんとうだろうか」。
ということは、このまま化石燃料を使い続けることができるということになる。
そして使い続ける分、大地が供給してくれるという。
枯渇しないという。
石油の枯渇より、使い続けることによって発生する温暖化の方が問題だという。
食糧と人口増加については悲観的見通しを立てるのに対して、エネルギーについてはアッケラカンほどに楽天的である。
「なぜだろう」。
解答者は二人とも「専門家」だという。
そして「自信」をもって答えている。
そういえば、農業の専門家は懐疑的だったし、人口問題には答えられる専門家はいなかった。
「ではなぜ、石油だけがかくも断定的に答えられるのだろうか」。
「なにかおかしい」。
人口爆発が起こるのは「エネルギーが過剰に供給されているから」。
日本の人口爆発の裏の主役は「米の増産」と「石炭の採炭」。
いい具合に、日本では石炭が採れた。
日本で採取可能な鉱物といえば、石灰と石炭。
石灰はコンクリートの原料になる。
「月が出た出た月が出た、ああヨイヨイ。三池炭鉱の上に出た。あんまり煙突が高いので、さぞやお月さん煙たあかろ。さのヨイヨイ」。
いにしえの名曲「炭鉱節」。誰でも知っている。
炭鉱労働組合はパワーがあった。
日本の産業を支えている自負があった。
蛇足だが、麻生太郎のオヤジさんは九州の炭鉱王。
ヤクザぽッイいのはそのせいか。
麻生太郎はオリンピックの「ライフルマン」。
「いかつい顔に、やさしい目------悪人どもには鬼よりコワーイ、ライフルマーン、ライフルマーン」。
テレビ「ライフルマン」の主題歌。
「わずかな老人」しか知らない。
石炭が消え、次に石油が主役に躍り出る。
日本の高度成長と人口爆発を支えたのが石油。
今世紀はまだまだ「油断」は起こらず、ふんだんに供給されるという。
果たして、本当にそう進んでくれるのであろうか。
<つづく>
【Top Page】
_
石油枯渇1:おジイさんは山へしば刈りに
━━━━━━━━━━━━━━━━━
以前に「人口増加」が起こる原因として「食糧」をあげました。
いわく、
『
生存可能だから増えるのです。
生存できなければ増えません。
』
生存可能な食べ物があるから、増加する。
もしなければ増えない。
生物のごく単純な法則。
これがメインの法則。
「人口爆発」が起きるのは加えて十分なエネルギーが供給されたから。
これがサブの法則。
エネルギーが限定されていればそのエネルギーの許容容量を超えて増えない。
歴史的には農業時代は「木」、近代以降の工業時代は石炭石油天然ガス等の「化石燃料」。
「おじいさんは山へシバ刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」。
そう、桃太郎の没頭。
シバ刈りとは薪採取、これを町にいって売る。
これが日々の糧になる。
人は増えない。
小さいときお米は木材で炊いていました。
「はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いても蓋とるな」。
随分とお釜でお米を炊きました。
建て替えの建築現場からいらなくなった木材をもらってきて、ノコで切り、マキ割りをして、かまどの横に積み上げたものです。
燃えたマキから「消し炭」をとり、これも保存しておく。
消し炭は火がつきやすい。
新聞紙に火をつけ、それに消し炭をおくとすぐに消し炭が真っ赤になる。
それを火鉢に移し、その上に木炭をおく。
それが昔の暖房。
六畳の部屋に火鉢1ケ。
ほんとうに寒い。
手を温めるだけの暖房。
でもそれが普通の風景。
木炭を切るはもっとも嫌いな仕事。
手ぬぐいを巻いてやるのだが、鼻の中まで真っ黒になる。
切粉もとっておく。
これも燃料になる。
木炭が高くなり、豆炭が出て、練炭が出る。
初期の練炭は臭かった。
練炭コタツに入り込んだ猫が中毒を起こす。
「おい、ネコがいないぞ」と誰かが気がつき、コタツをめくると中でグッタリ。
外に出してやる。
そのうち気がつく。
フラフラ歩けるようになり、しばらくすると元気になる。
ときどきネコをチェックするのが子どもの仕事。
それになかなか火がつかない、何回やってもつかない。
練炭も研究がすすみ、「上付け練炭」なるものが出始める。
練炭の上に新聞紙と細く切った木材、使い古しの割り箸、消し炭などをおいて火をつけると、なんと練炭に火が簡単に移る。
火は下から上へいくものだという固定観念が吹き飛ばされる。
「すごい」。
練炭の火付けに苦しんでいた事がウソのようである。
上から燃えるため、臭いがなく、悪いガスも燃えて、七輪からコタツまでなんでも練炭に変わった。
火力も強く、火鉢にいれると、あの手をあぶる程度の火力しかない木炭が貧相に見える。
陶器の火鉢が熱くなるほど。
縁など無造作に触れない。
「アッチイチイー」。
ちょっと前の木炭火鉢の温度がウソのように思える。
練炭も豆炭も石炭の粉を固めて作ったもの。
生活エネルギーの「木」は、練炭で「石炭」に変わる。
それから、キッチンは都市ガスLPガスになり、コタツは電気。
床置き暖房はガスか灯油になる。
老人世帯では安全のため、全てが電化仕様になる。
「燃料の貯蔵はなくなる」。
いにしえの学校は、薪ストーブが最初。
ダルマストーブの表面が真っ赤になる。
その次は石炭。
朝、係りが石炭を貰いにいく。
夕方、石炭ガラを捨てにいく。
そして、コークス。
コークスはジワジワ燃える。
石炭のように'カー'っとは燃えない。
次は石油ストーブ。
大学では専属の人がいて、学生が自由に灯油を持ち運ぶことはできなかった。
授業時間90分用の缶をセットしてくれる。
どういうわけか、これが80分で燃え尽きることがある。
あとはコートでまるまってコンクリート床から立ち上がる寒さをしのいだことがある。
昨今はすべて、エアコン。
現在、化石燃料の主役は石油。
その石油の枯渇は「2080年」頃という。
★ 産経新聞 2007年11月29日
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/071129/env0711291943001-n1.htm
『
石油枯渇まで68年 石油鉱業連盟発表
────────────────────────
世界の石油が枯渇するまであと「68年」-。
石油鉱業連盟が29日発表した平成17年末の世界の石油・天然ガス資源に関する評価で、こんな見通しが明らかになった。
同連盟は5年に1度この評価を実施し、12年末評価の石油枯渇年数「79年」から、見通しを11年短縮した。
未発見資源量が縮小しているうえ、中国やインドを中心に石油需要が急増したため、枯渇への”カウントダウン”が早まった格好だ。
報告書では、「世界にある未発見資源を含めた石油の可採資源量」が、3兆0380億バレルと前回評価とほぼ同水準と試算。
ただ、中国などの需要増で年間石油生産量が300億バレルに膨らんで「可採年数が縮まる」と予測した。
石油の可採年数は、既に確認されている埋蔵量で「37.6年」、技術革新などによる採掘量の拡大で「16.6年」、未発見資源で「13.9年」分と予想する。
一方で、天然ガスの枯渇年数は「98年」と予想。
うち、既に確認されている埋蔵量で「50.7年」分、技術革新で「30.2」年、未発見資源で「17.32」年と試算、将来は石油を天然ガスが補うと予想する。
』
★ 石油鉱業連盟
http://www.sekkoren.jp/
「1バレル」とは159リッター、6バレル=約1m3(水なら約1トンの体積)。
比重がちがいますので、重量比較は意味がありませんので、イメージとして掴むためにその体積で比較してみます。
「3兆0380億バレル」とは「4830億m3」にあたる。
3兆0380億バレル×0.159m3=4,830億m3
日本最大の湖、琵琶湖、最深103m、平均水深41m、貯水量は「27.5Km3」。「1Km3」とは1立方キロメートル。
立方メートルに直すと「1000m×1000m×1000m=1,000,000,000m3=10億m3」。
ということは琵琶湖の貯水量は「275億m3:275億トン」。
3兆0380億バレルとは、琵琶湖貯水量の「17.6個分」にあたる。
4,830億m3/275億m3 = 17.6個
それが石油の可採資源量となる。
つまり琵琶湖約18個分の石油が、人類が取り出し可能な地層に眠っている(一部はすでに採掘された)ということになる。
また、東京ドームの体積で比較すると、東京ドームは「1,240,000m3」で「780万バレル」になる。
1,240,000/0.159=7,798,742
とすると3兆0380億バレルとは「東京ドーム約39万個分」にあたる。
3,038,000,000,000/7,800,000=389,487
つまり東京ドームの体積を規準単位「ドーム」とすると、石油の可採資源量は「39万ドーム」になる。
【注】:素人の電卓計算なので間違いがあるかもしれませんので確認してください。
石油はあと「68年」、天然ガスは、「98年」である。
つまり、現在言われている化石燃料はあと「100年」ほどで枯渇するということである。
まずはじめに、石油が70年ほどで枯渇し、その後、30年ほどを天然ガスが補い、その後枯渇する。
では、100年したら化石エネルギーはなくなるのかというと、そうでもないらしい。
今回の報告書では、カナダ等で資源開発が進み始めた「オイルサンド」など「非在来型石油資源」は考慮されておらず、これを加味すれば枯渇年数が「約280年」に延びるともいわれている。
天然ガスについても、シベリアや北極圏の永久凍土、日本・韓国周辺の海底等で賦存が確認され始めた「燃える氷」と呼ばれる「メタンハイドレート(水分子が天然ガスの主成分であるメタン分子を取り囲んでシャーベット状になった固体結晶)」など「非在来型天然ガス資源」は考慮されておらず、これを加味すれば枯渇年数が大幅に延びるものと期待されているらしい。
では、その「非在来型石油資源」「非在来型天然ガス資源」なるものは、コスト的に石油、天然ガスに代替できるものなのであろうか。
例えば石炭はまだまだいくらでもとれる。
しかし、日本では採炭をやめている。
なぜか。
石油に比べてコストが合わないからである。
コストがあってこそ始めて資源である。
石炭はおそらく数百年は持つであろう埋蔵量を持っているが、Wikipediaでは日本では「釧路炭鉱」の一鉱になっているという。
オイルサンドは原油を含んでいる地下の砂や岩であるが、砂や岩から石油分を取り出すのにどれだけのコストがかかるかである。
今の石油のように低コストで取り出せなければ意味がない
というより、いまのような形で石油を使うことはできないなら、考慮の対象にならない。
コストが高ければ、「使い方は違った形」になり、そうせざるをえなくなる。
「オイルサンド」を(Wikipedia)で見てみよう。
『
オイルサンド(Oil sand, Tar sands)とは、極めて粘性の高い油分を含む砂岩のこと。
原油を含んだ砂岩が地表に露出、もしくは地表付近の地下水などと反応し、揮発成分を失ったことにより生成される。
色は黒ずみ、石油臭を放つことが特徴。
母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェール(Oil Shale)と呼ばれる。
世界中に埋蔵されているオイルサンド、オイルシェールから得られる重質油は5兆バレル以上と推定されており、将来、枯渇するであろう石油の代替燃料として注目を浴びている。
ただし、1バレルの重質油をオイルサンドから得るためには、数トンの砂岩を乾留する必要があり、大量の廃棄土砂(産業廃棄物)が発生する。
その処理には多額の費用がかかり、また効率が悪いため採掘コストが嵩む。
そのため、現状では採算が極めて厳しい状況にある。
しかし、昨今の原油高で戦略的資源として見直されている。
オイルサンドは、カナダ(アルバータ州)、ベネズエラに分布する。
極めて低質なものは日本でも新潟県新潟市の新津油田などに見受けることができる。
オイルシェールはアメリカ合衆国西部、ブラジル、ロシアなどに分布する。
』
5兆バレルと石油より埋蔵量が多く、何とも心強い。
しかしつまるところ現時点で言えば、ただ石油の枯渇で脚光を浴びているだけのものである。
端的に言えば「ほとんど使えない」代物である。
次は、メタンハイドレートを(Wikipedia)で見てみる。
『
メタンハイドレート (Methane hydrate) とは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている物質である。
この構造を維持するためには、環境が低温かつ高圧であることが求められる。
地球上では、シベリアなどの永久凍土の地下数100m - 1000mの堆積物中や海底でこの条件が満たされ、メタンハイドレートが存在できる。
見た目は氷に似ているが、火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。
1立方メートルのメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164立方メートルのメタンガスに変わる。
このメタンはメタンハイドレートの体積の20%に過ぎず、他の80%は水である。
石油や石炭に比べ燃焼時の「二酸化炭素排出量」がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギーである。
実際にはほとんどが海底に存在し、地上の永久凍土などにはそれほど多くない。
またメタンハイドレートを含有できる深海堆積物は海底直下では低温だが、深くなるにつれて温度が高くなるため、「海底付近でしかメタンハイドレートは存在できない」。
これらの場所では、大量の有機物を含んだ土砂が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。
(状況によって異なるが、おおむね)大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内、水深1,000から2,000メートル付近での、地下数百メートルに集中する、メタンガス層の上部境目に多量に存在するとされている。
通常は、高圧下でありながら、凍った水分子の、篭状の結晶構造に封じ込められている。
石油資源に換わるエネルギー源として期待される一方、海中に湧き出したメタンが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられている。
大気中の「メタン」は、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされている。
メタンは大気中で12年程度で分解される。
日本近海は世界最大のメタンハイドレート埋蔵量を誇ると言われ、このため日本のエネルギー問題を解決する物質として考えられているが、現在のところ採掘にかかるコストが販売による利益を上回ってしまう。
そのため、商売として成立せず、研究用以外の目的では採掘されていない。
今後、埋蔵量が残り少なくなった石油の採掘コストが上がり、メタンハイドレートが主要なエネルギー源となった場合、日本は世界最大のエネルギー資源大国になると言われている。
日本政府は2016年までにこれらのメタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させる計画を行うとしている。
このため、資源国通貨として日本円の将来性は高いと考える投資家も多い。
ただし、他のエネルギー源が主流になり、メタンハイドレートが商業使用されないまま終わる可能性もある。
海底のメタンハイドレートは潜水士が作業できない深海に存在し、また地層中や海底で氷のように存在するため、石油やガスのように穴を掘って簡単に汲み上げることも、石炭のように掘ることもできない。
ゆえに低コストでかつ大量に採取することは技術的に課題が多い。
採取方法によっては、大量のメタンハイドレートが一気に気化し大気中に拡散、地球温暖化に拍車を掛ける恐れもあり、慎重に検討すべきと指摘する研究者もいる。
メタンハイドレートは、海水温が2-3度上昇するだけで溶け出しメタンを大気中に放出するといわれている。
温暖化がすすむと海水温が上がり、メタンハイドレートが溶け出す。
するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンハイドレートが溶け出す悪循環をおこす。
2億5千万年前の「P-T境界」では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたとされている。
』
つまりやさしく言うと今のところこれも、「まるでダメ」といっていい。
メドがつくまでにもまだまだ時間がかかりそうである。
つまるところ現在にあっては、コスト的には2つともほぼ代替使用可能なエネルギーとしては無きものに近い状態にあるといえる。
「非在来型石油資源」「非在来型天然ガス資源」などというのは、存在しているだけの、人類を失望させないための「希望的代替物」でしかない。
「言葉の彩」「言葉のマジック」にすぎない。
例えば仮に今コスト比較で、1リットル500円のオイルサンド石油しかなかったとしたら、自動車に乗る人が出てくるだろうか。
いくら自動車が高性能で安くなったとしても、ガソリンが高ければ自動車はポピラーな乗り物にはなりにくい、ということである。
車自体が「違った形」になっていくだろうということである。
もちろん、1世紀もすれば低コストで供給できるようになるであろうことは見通せる。
だが、それが今の石油ほど、生活費と比較しての低コストになりうるかというと、そこまでは分からない。
「石油枯渇」「石油埋蔵量」といったキーワードで検索するとすごい量のデータが出てくる。
それがみな、そこそこの意見で「ウーン、いったいどれが正しい」となってしまう。
「教えて、goo」から見てみましょう。
『
質問投稿日時:07/01/09
━━━━━━━━━━━
Newsweek 誌に、石油埋蔵量の見通しについてかなり楽観論が展開されていて、少なくとも来世紀のはじめくらいまで枯渇しないだろうとのことです。
テクノロジーの進歩で、採取率が上がるから、だそうです。
市場の見方では、いつか近く石油価格の暴落が起こると予想しています。
一方、ゴールドマンサックスによる見通しだと、石油価格は高止まりのまま続く、とのことです。
実際はどうなのでしょうか?
回答良回答
────────
まず燃料が枯渇する事はありません。
原初の地球の大気には酸素が存在せず、従って今の大気中2割の酸素の大半は二酸化炭素から光合成によって作られたものと思われます。二酸化炭素から分かれた酸素の片割れは、炭素もしくは炭化水素等の組成で可燃物として存在しております。
従って今の酸素を全部燃やし尽くすだけの燃料が地球には存在し、人が生きていけるかどうかは別にして、「燃やすものがなくなる事」は無い筈です。
たとえ話としては、「薪のある洞窟の中で、薪の尽きるのを心配するより、二酸化炭素中毒の方が問題」という事ですね。
石油に限って言えば、一般的に埋蔵量と言われるのは「可採埋蔵量」であり、その時点の経済性から採取できる数量を指します。
従って、原油価格が上がれば、新油田が見つからなくても埋蔵量が増えると言う現象がおきます。
2003年に北米の可採年数(その地域の可採埋蔵量÷年間使用量)が一気に40年ほど延びましたが、これはカナダのオイルサンドが「可採」化した事によります。
現在石油以外の化石燃料(石炭・ガス)から液体燃料を作る技術も実用化されており、そちらから「人造石油」として利用できる燃料を得られる事を考えれば、「人類が生存できる環境下で、燃料が枯渇する事は無い」と言う事はできます。
但し、人類が生存できる環境が維持できるかは別問題ですが・・・。
回答
───
同じく、石油の枯渇はないと思います。
それは、石油資源が少なくなれば、価格が上がるため、新たな油田や新しい技術の開発が促進されるためです。
石油はそうやって、価格が上がったり下がったりしてきた歴史があります。
最近、原油の価格が上昇してきましたが、これは、中国やインドなどが急激に経済成長して、資源をあさっていることと、米国のハリケーンなどで不安感がでてきたこと。さらに今年あたりに石油埋蔵量がピークを迎えるというオイルピーク説が拍車をかけているためです。
中国やインドの経済成長は今後も続くと予想されるので、基本的には石油の需要は堅調でしょう。この場合は価格は高止まりすると考えます。
しかし、オイルピーク説が破綻すると(早くもすでに破綻したとの見方もあります)、投機的に石油を買っている人が売りに出て、暴落することも考えられます。
なお、石油は微生物の堆積物ではなく、無機物から生成しているという説は、まじめに研究されていますし、無視されているわけではありません。
ただし、どちらにしろ、石油が枯渇するより先に大気中の二酸化炭素による地球温暖化により、石油の消費は制限されるでしょう。
』
「ほんとうだろうか」。
ということは、このまま化石燃料を使い続けることができるということになる。
そして使い続ける分、大地が供給してくれるという。
枯渇しないという。
石油の枯渇より、使い続けることによって発生する温暖化の方が問題だという。
食糧と人口増加については悲観的見通しを立てるのに対して、エネルギーについてはアッケラカンほどに楽天的である。
「なぜだろう」。
解答者は二人とも「専門家」だという。
そして「自信」をもって答えている。
そういえば、農業の専門家は懐疑的だったし、人口問題には答えられる専門家はいなかった。
「ではなぜ、石油だけがかくも断定的に答えられるのだろうか」。
「なにかおかしい」。
人口爆発が起こるのは「エネルギーが過剰に供給されているから」。
日本の人口爆発の裏の主役は「米の増産」と「石炭の採炭」。
いい具合に、日本では石炭が採れた。
日本で採取可能な鉱物といえば、石灰と石炭。
石灰はコンクリートの原料になる。
「月が出た出た月が出た、ああヨイヨイ。三池炭鉱の上に出た。あんまり煙突が高いので、さぞやお月さん煙たあかろ。さのヨイヨイ」。
いにしえの名曲「炭鉱節」。誰でも知っている。
炭鉱労働組合はパワーがあった。
日本の産業を支えている自負があった。
蛇足だが、麻生太郎のオヤジさんは九州の炭鉱王。
ヤクザぽッイいのはそのせいか。
麻生太郎はオリンピックの「ライフルマン」。
「いかつい顔に、やさしい目------悪人どもには鬼よりコワーイ、ライフルマーン、ライフルマーン」。
テレビ「ライフルマン」の主題歌。
「わずかな老人」しか知らない。
石炭が消え、次に石油が主役に躍り出る。
日本の高度成長と人口爆発を支えたのが石油。
今世紀はまだまだ「油断」は起こらず、ふんだんに供給されるという。
果たして、本当にそう進んでくれるのであろうか。
<つづく>
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