2008年4月3日木曜日

石油枯渇1:おジイさんは山へしば刈りに

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石油枯渇1:おジイさんは山へしば刈りに
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 以前に「人口増加」が起こる原因として「食糧」をあげました。
 いわく、

 生存可能だから増えるのです。
 生存できなければ増えません。

 生存可能な食べ物があるから、増加する。
 もしなければ増えない。
 生物のごく単純な法則。
 これがメインの法則。

 「人口爆発」が起きるのは加えて十分なエネルギーが供給されたから。
 これがサブの法則。

 エネルギーが限定されていればそのエネルギーの許容容量を超えて増えない。
 歴史的には農業時代は「木」、近代以降の工業時代は石炭石油天然ガス等の「化石燃料」。

 「おじいさんは山へシバ刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」。
 そう、桃太郎の没頭。
 シバ刈りとは薪採取、これを町にいって売る。
 これが日々の糧になる。
 人は増えない。

 小さいときお米は木材で炊いていました。
 「はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いても蓋とるな」。
 随分とお釜でお米を炊きました。
 建て替えの建築現場からいらなくなった木材をもらってきて、ノコで切り、マキ割りをして、かまどの横に積み上げたものです。
 燃えたマキから「消し炭」をとり、これも保存しておく。
 消し炭は火がつきやすい。
 新聞紙に火をつけ、それに消し炭をおくとすぐに消し炭が真っ赤になる。
 それを火鉢に移し、その上に木炭をおく。
 それが昔の暖房。
 六畳の部屋に火鉢1ケ。
 ほんとうに寒い。
 手を温めるだけの暖房。
 でもそれが普通の風景。
 木炭を切るはもっとも嫌いな仕事。
 手ぬぐいを巻いてやるのだが、鼻の中まで真っ黒になる。
 切粉もとっておく。
 これも燃料になる。

 木炭が高くなり、豆炭が出て、練炭が出る。
 初期の練炭は臭かった。
 練炭コタツに入り込んだ猫が中毒を起こす。
 「おい、ネコがいないぞ」と誰かが気がつき、コタツをめくると中でグッタリ。
 外に出してやる。
 そのうち気がつく。
 フラフラ歩けるようになり、しばらくすると元気になる。
 ときどきネコをチェックするのが子どもの仕事。

 それになかなか火がつかない、何回やってもつかない。
 練炭も研究がすすみ、「上付け練炭」なるものが出始める。
 練炭の上に新聞紙と細く切った木材、使い古しの割り箸、消し炭などをおいて火をつけると、なんと練炭に火が簡単に移る。
 火は下から上へいくものだという固定観念が吹き飛ばされる。
 「すごい」。
 練炭の火付けに苦しんでいた事がウソのようである。

 上から燃えるため、臭いがなく、悪いガスも燃えて、七輪からコタツまでなんでも練炭に変わった。
 火力も強く、火鉢にいれると、あの手をあぶる程度の火力しかない木炭が貧相に見える。
 陶器の火鉢が熱くなるほど。
 縁など無造作に触れない。
 「アッチイチイー」。
 ちょっと前の木炭火鉢の温度がウソのように思える。
 練炭も豆炭も石炭の粉を固めて作ったもの。
 生活エネルギーの「木」は、練炭で「石炭」に変わる。

 それから、キッチンは都市ガスLPガスになり、コタツは電気。
 床置き暖房はガスか灯油になる。
 老人世帯では安全のため、全てが電化仕様になる。
 「燃料の貯蔵はなくなる」。

 いにしえの学校は、薪ストーブが最初。
 ダルマストーブの表面が真っ赤になる。
 その次は石炭。
 朝、係りが石炭を貰いにいく。
 夕方、石炭ガラを捨てにいく。
 そして、コークス。
 コークスはジワジワ燃える。
 石炭のように'カー'っとは燃えない。
 次は石油ストーブ。
 大学では専属の人がいて、学生が自由に灯油を持ち運ぶことはできなかった。
 授業時間90分用の缶をセットしてくれる。
 どういうわけか、これが80分で燃え尽きることがある。
 あとはコートでまるまってコンクリート床から立ち上がる寒さをしのいだことがある。
 昨今はすべて、エアコン。


 現在、化石燃料の主役は石油。
 その石油の枯渇は「2080年」頃という。

★  産経新聞 2007年11月29日
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/071129/env0711291943001-n1.htm

石油枯渇まで68年 石油鉱業連盟発表
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 世界の石油が枯渇するまであと「68年」-。
 石油鉱業連盟が29日発表した平成17年末の世界の石油・天然ガス資源に関する評価で、こんな見通しが明らかになった。
 同連盟は5年に1度この評価を実施し、12年末評価の石油枯渇年数「79年」から、見通しを11年短縮した。
 未発見資源量が縮小しているうえ、中国やインドを中心に石油需要が急増したため、枯渇への”カウントダウン”が早まった格好だ。

 報告書では、「世界にある未発見資源を含めた石油の可採資源量」が、3兆0380億バレルと前回評価とほぼ同水準と試算。
 ただ、中国などの需要増で年間石油生産量が300億バレルに膨らんで「可採年数が縮まる」と予測した。
 石油の可採年数は、既に確認されている埋蔵量で「37.6年」、技術革新などによる採掘量の拡大で「16.6年」、未発見資源で「13.9年」分と予想する。

 一方で、天然ガスの枯渇年数は「98年」と予想。
 うち、既に確認されている埋蔵量で「50.7年」分、技術革新で「30.2」年、未発見資源で「17.32」年と試算、将来は石油を天然ガスが補うと予想する。


★ 石油鉱業連盟
http://www.sekkoren.jp/

 「1バレル」とは159リッター、6バレル=約1m3(水なら約1トンの体積)。
 比重がちがいますので、重量比較は意味がありませんので、イメージとして掴むためにその体積で比較してみます。

 「3兆0380億バレル」とは「4830億m3」にあたる。
  3兆0380億バレル×0.159m3=4,830億m3

 日本最大の湖、琵琶湖、最深103m、平均水深41m、貯水量は「27.5Km3」。「1Km3」とは1立方キロメートル。
 立方メートルに直すと「1000m×1000m×1000m=1,000,000,000m3=10億m3」。
 ということは琵琶湖の貯水量は「275億m3:275億トン」。

 3兆0380億バレルとは、琵琶湖貯水量の「17.6個分」にあたる。
  4,830億m3/275億m3 = 17.6個

 それが石油の可採資源量となる。
 つまり琵琶湖約18個分の石油が、人類が取り出し可能な地層に眠っている(一部はすでに採掘された)ということになる。

 また、東京ドームの体積で比較すると、東京ドームは「1,240,000m3」で「780万バレル」になる。
  1,240,000/0.159=7,798,742
 とすると3兆0380億バレルとは「東京ドーム約39万個分」にあたる。
  3,038,000,000,000/7,800,000=389,487

 つまり東京ドームの体積を規準単位「ドーム」とすると、石油の可採資源量は「39万ドーム」になる。

【注】:素人の電卓計算なので間違いがあるかもしれませんので確認してください。


 石油はあと「68年」、天然ガスは、「98年」である。
 つまり、現在言われている化石燃料はあと「100年」ほどで枯渇するということである。
 まずはじめに、石油が70年ほどで枯渇し、その後、30年ほどを天然ガスが補い、その後枯渇する。
 では、100年したら化石エネルギーはなくなるのかというと、そうでもないらしい。

 今回の報告書では、カナダ等で資源開発が進み始めた「オイルサンド」など「非在来型石油資源」は考慮されておらず、これを加味すれば枯渇年数が「約280年」に延びるともいわれている。
 天然ガスについても、シベリアや北極圏の永久凍土、日本・韓国周辺の海底等で賦存が確認され始めた「燃える氷」と呼ばれる「メタンハイドレート(水分子が天然ガスの主成分であるメタン分子を取り囲んでシャーベット状になった固体結晶)」など「非在来型天然ガス資源」は考慮されておらず、これを加味すれば枯渇年数が大幅に延びるものと期待されているらしい。

 では、その「非在来型石油資源」「非在来型天然ガス資源」なるものは、コスト的に石油、天然ガスに代替できるものなのであろうか。
 例えば石炭はまだまだいくらでもとれる。
 しかし、日本では採炭をやめている。
 なぜか。
 石油に比べてコストが合わないからである。 
 コストがあってこそ始めて資源である。
 石炭はおそらく数百年は持つであろう埋蔵量を持っているが、Wikipediaでは日本では「釧路炭鉱」の一鉱になっているという。

 オイルサンドは原油を含んでいる地下の砂や岩であるが、砂や岩から石油分を取り出すのにどれだけのコストがかかるかである。
 今の石油のように低コストで取り出せなければ意味がない
 というより、いまのような形で石油を使うことはできないなら、考慮の対象にならない。
 コストが高ければ、「使い方は違った形」になり、そうせざるをえなくなる。


 「オイルサンド」を(Wikipedia)で見てみよう。

 オイルサンド(Oil sand, Tar sands)とは、極めて粘性の高い油分を含む砂岩のこと。
 原油を含んだ砂岩が地表に露出、もしくは地表付近の地下水などと反応し、揮発成分を失ったことにより生成される。
 色は黒ずみ、石油臭を放つことが特徴。
 母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェール(Oil Shale)と呼ばれる。
 世界中に埋蔵されているオイルサンド、オイルシェールから得られる重質油は5兆バレル以上と推定されており、将来、枯渇するであろう石油の代替燃料として注目を浴びている。

 ただし、1バレルの重質油をオイルサンドから得るためには、数トンの砂岩を乾留する必要があり、大量の廃棄土砂(産業廃棄物)が発生する。
 その処理には多額の費用がかかり、また効率が悪いため採掘コストが嵩む。
 そのため、現状では採算が極めて厳しい状況にある。
 しかし、昨今の原油高で戦略的資源として見直されている。

 オイルサンドは、カナダ(アルバータ州)、ベネズエラに分布する。
 極めて低質なものは日本でも新潟県新潟市の新津油田などに見受けることができる。
 オイルシェールはアメリカ合衆国西部、ブラジル、ロシアなどに分布する。


 5兆バレルと石油より埋蔵量が多く、何とも心強い。
 しかしつまるところ現時点で言えば、ただ石油の枯渇で脚光を浴びているだけのものである。
 端的に言えば「ほとんど使えない」代物である。


 次は、メタンハイドレートを(Wikipedia)で見てみる。

 メタンハイドレート (Methane hydrate) とは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている物質である。
 この構造を維持するためには、環境が低温かつ高圧であることが求められる。
 地球上では、シベリアなどの永久凍土の地下数100m - 1000mの堆積物中や海底でこの条件が満たされ、メタンハイドレートが存在できる。
 見た目は氷に似ているが、火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われることもある。
 1立方メートルのメタンハイドレートを1気圧の状態で解凍すると164立方メートルのメタンガスに変わる。
 このメタンはメタンハイドレートの体積の20%に過ぎず、他の80%は水である。
 石油や石炭に比べ燃焼時の「二酸化炭素排出量」がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギーである。

 実際にはほとんどが海底に存在し、地上の永久凍土などにはそれほど多くない。
 またメタンハイドレートを含有できる深海堆積物は海底直下では低温だが、深くなるにつれて温度が高くなるため、「海底付近でしかメタンハイドレートは存在できない」。
 これらの場所では、大量の有機物を含んだ土砂が低温・高圧の状態におかれ結晶化している。
(状況によって異なるが、おおむね)大陸棚が海底へとつながる、海底斜面内、水深1,000から2,000メートル付近での、地下数百メートルに集中する、メタンガス層の上部境目に多量に存在するとされている。
 通常は、高圧下でありながら、凍った水分子の、篭状の結晶構造に封じ込められている。

 石油資源に換わるエネルギー源として期待される一方、海中に湧き出したメタンが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられている。
 大気中の「メタン」は、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされている。
 メタンは大気中で12年程度で分解される。

 日本近海は世界最大のメタンハイドレート埋蔵量を誇ると言われ、このため日本のエネルギー問題を解決する物質として考えられているが、現在のところ採掘にかかるコストが販売による利益を上回ってしまう。
 そのため、商売として成立せず、研究用以外の目的では採掘されていない。

 今後、埋蔵量が残り少なくなった石油の採掘コストが上がり、メタンハイドレートが主要なエネルギー源となった場合、日本は世界最大のエネルギー資源大国になると言われている。
 日本政府は2016年までにこれらのメタンハイドレートの商業化に必要な技術を完成させる計画を行うとしている。
 このため、資源国通貨として日本円の将来性は高いと考える投資家も多い。
 ただし、他のエネルギー源が主流になり、メタンハイドレートが商業使用されないまま終わる可能性もある。

 海底のメタンハイドレートは潜水士が作業できない深海に存在し、また地層中や海底で氷のように存在するため、石油やガスのように穴を掘って簡単に汲み上げることも、石炭のように掘ることもできない。

 ゆえに低コストでかつ大量に採取することは技術的に課題が多い。
 採取方法によっては、大量のメタンハイドレートが一気に気化し大気中に拡散、地球温暖化に拍車を掛ける恐れもあり、慎重に検討すべきと指摘する研究者もいる。

 メタンハイドレートは、海水温が2-3度上昇するだけで溶け出しメタンを大気中に放出するといわれている。
 温暖化がすすむと海水温が上がり、メタンハイドレートが溶け出す。
 するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンハイドレートが溶け出す悪循環をおこす。
 2億5千万年前の「P-T境界」では、この現象が実際におこり、大量絶滅をより深刻なものにしたとされている。


 つまりやさしく言うと今のところこれも、「まるでダメ」といっていい。

 メドがつくまでにもまだまだ時間がかかりそうである。
 つまるところ現在にあっては、コスト的には2つともほぼ代替使用可能なエネルギーとしては無きものに近い状態にあるといえる。

 「非在来型石油資源」「非在来型天然ガス資源」などというのは、存在しているだけの、人類を失望させないための「希望的代替物」でしかない。

 「言葉の彩」「言葉のマジック」にすぎない。

 例えば仮に今コスト比較で、1リットル500円のオイルサンド石油しかなかったとしたら、自動車に乗る人が出てくるだろうか。
 いくら自動車が高性能で安くなったとしても、ガソリンが高ければ自動車はポピラーな乗り物にはなりにくい、ということである。
 車自体が「違った形」になっていくだろうということである。
 もちろん、1世紀もすれば低コストで供給できるようになるであろうことは見通せる。
 だが、それが今の石油ほど、生活費と比較しての低コストになりうるかというと、そこまでは分からない。

 「石油枯渇」「石油埋蔵量」といったキーワードで検索するとすごい量のデータが出てくる。
 それがみな、そこそこの意見で「ウーン、いったいどれが正しい」となってしまう。

 「教えて、goo」から見てみましょう。


質問投稿日時:07/01/09
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 Newsweek 誌に、石油埋蔵量の見通しについてかなり楽観論が展開されていて、少なくとも来世紀のはじめくらいまで枯渇しないだろうとのことです。
 テクノロジーの進歩で、採取率が上がるから、だそうです。
 市場の見方では、いつか近く石油価格の暴落が起こると予想しています。
 一方、ゴールドマンサックスによる見通しだと、石油価格は高止まりのまま続く、とのことです。
 実際はどうなのでしょうか?

回答良回答
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 まず燃料が枯渇する事はありません。

 原初の地球の大気には酸素が存在せず、従って今の大気中2割の酸素の大半は二酸化炭素から光合成によって作られたものと思われます。二酸化炭素から分かれた酸素の片割れは、炭素もしくは炭化水素等の組成で可燃物として存在しております。
 従って今の酸素を全部燃やし尽くすだけの燃料が地球には存在し、人が生きていけるかどうかは別にして、「燃やすものがなくなる事」は無い筈です。
 たとえ話としては、「薪のある洞窟の中で、薪の尽きるのを心配するより、二酸化炭素中毒の方が問題」という事ですね。

 石油に限って言えば、一般的に埋蔵量と言われるのは「可採埋蔵量」であり、その時点の経済性から採取できる数量を指します。
 従って、原油価格が上がれば、新油田が見つからなくても埋蔵量が増えると言う現象がおきます。
 2003年に北米の可採年数(その地域の可採埋蔵量÷年間使用量)が一気に40年ほど延びましたが、これはカナダのオイルサンドが「可採」化した事によります。
 現在石油以外の化石燃料(石炭・ガス)から液体燃料を作る技術も実用化されており、そちらから「人造石油」として利用できる燃料を得られる事を考えれば、「人類が生存できる環境下で、燃料が枯渇する事は無い」と言う事はできます。
 但し、人類が生存できる環境が維持できるかは別問題ですが・・・。

回答
───
 同じく、石油の枯渇はないと思います。

 それは、石油資源が少なくなれば、価格が上がるため、新たな油田や新しい技術の開発が促進されるためです。
 石油はそうやって、価格が上がったり下がったりしてきた歴史があります。
 最近、原油の価格が上昇してきましたが、これは、中国やインドなどが急激に経済成長して、資源をあさっていることと、米国のハリケーンなどで不安感がでてきたこと。さらに今年あたりに石油埋蔵量がピークを迎えるというオイルピーク説が拍車をかけているためです。
 中国やインドの経済成長は今後も続くと予想されるので、基本的には石油の需要は堅調でしょう。この場合は価格は高止まりすると考えます。
 しかし、オイルピーク説が破綻すると(早くもすでに破綻したとの見方もあります)、投機的に石油を買っている人が売りに出て、暴落することも考えられます。
 なお、石油は微生物の堆積物ではなく、無機物から生成しているという説は、まじめに研究されていますし、無視されているわけではありません。

 ただし、どちらにしろ、石油が枯渇するより先に大気中の二酸化炭素による地球温暖化により、石油の消費は制限されるでしょう。


 「ほんとうだろうか」。
 ということは、このまま化石燃料を使い続けることができるということになる。
 そして使い続ける分、大地が供給してくれるという。
 枯渇しないという。
 石油の枯渇より、使い続けることによって発生する温暖化の方が問題だという。

 食糧と人口増加については悲観的見通しを立てるのに対して、エネルギーについてはアッケラカンほどに楽天的である。
 「なぜだろう」。

 解答者は二人とも「専門家」だという。
 そして「自信」をもって答えている。
 そういえば、農業の専門家は懐疑的だったし、人口問題には答えられる専門家はいなかった。
 「ではなぜ、石油だけがかくも断定的に答えられるのだろうか」。
 「なにかおかしい」。


 人口爆発が起こるのは「エネルギーが過剰に供給されているから」。
 日本の人口爆発の裏の主役は「米の増産」と「石炭の採炭」。
 いい具合に、日本では石炭が採れた。
 日本で採取可能な鉱物といえば、石灰と石炭。
 石灰はコンクリートの原料になる。

 「月が出た出た月が出た、ああヨイヨイ。三池炭鉱の上に出た。あんまり煙突が高いので、さぞやお月さん煙たあかろ。さのヨイヨイ」。
 いにしえの名曲「炭鉱節」。誰でも知っている。
 炭鉱労働組合はパワーがあった。
 日本の産業を支えている自負があった。
 蛇足だが、麻生太郎のオヤジさんは九州の炭鉱王。
 ヤクザぽッイいのはそのせいか。
 麻生太郎はオリンピックの「ライフルマン」。
 「いかつい顔に、やさしい目------悪人どもには鬼よりコワーイ、ライフルマーン、ライフルマーン」。
 テレビ「ライフルマン」の主題歌。
 「わずかな老人」しか知らない。


 石炭が消え、次に石油が主役に躍り出る。
 日本の高度成長と人口爆発を支えたのが石油。
 今世紀はまだまだ「油断」は起こらず、ふんだんに供給されるという。

 果たして、本当にそう進んでくれるのであろうか。




<つづく>




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